太陽光を利用したレンジフードのフィルター掃除の方法

※ 9月4日(土)午前11時、気温31℃

レンジフードのフィルターに付いたベトベト油汚れを落とすのは、プロでも苦労しますが、電気やガスなどのエネルギーを消費せず、ブラシで何度も擦ることなく、スッキリと油汚れを落とせます。この掃除方法は、もともとお客さまに教えていただき、「なるほど!」と感心したことを覚えています。

まず、用意するのは、「黒いゴミ袋」「重曹」「中性洗剤(食器用洗剤)」。あと、真夏の「太陽光」が必要です。エコ洗剤の「重曹」と「中性洗剤」だけで驚くほど頑固な油汚れがキレイに落とせるので試してみませんか。今回は、ベランダで作業を行いましたが、この掃除方法だと油汚れ自体がが乳化して石鹸に変わるので、ベランダも汚さず安心です。

お掃除の手順
① 黒いゴミ袋にフィルターを入れる
② 重曹をカップ半分(100cc)入れる
③ 中性洗剤をカップ10分の1(20cc)入れる
④ 水道水を2ℓ入れて、上部を結んで密閉する(空気を抜くこと)
⑤ ゴミ袋を太陽光が良く当たる所に3時間以上放置する
⑥ フィルターを取り出し、水道水で充分にすすぐ
⑦ 乾いたタオルでフィルターの水分を拭き取って完了!※重曹の水溶液は、温まるとアルカリ濃度が高くなり手が荒れやすいので、必ず手袋をしましょう。
※最初にフィルターの油汚れをキッチンペーパーで拭き取ると洗浄効果が高まります。
※乳化した油が残っている場合は、ブラシで擦れば落とせます。
※フィルターの塗装が油汚れで緩んでいることが多く、剥げることがあります。
※アルミ製品は、重曹のアルカリに反応して黒ずむことがあります。

黒いゴミ袋を使う理由

黒いゴミ袋を使う理由は、太陽から降り注ぐ輻射熱(赤外線)を黒いゴミ袋が効率よく吸収し、熱に換えて水道水を50度以上に温めるからです。すると、温水で頑固な油汚れが緩み、熱で重曹のアルカリ濃度(PH)を高めて洗浄効果を発揮しながら、漬け置き洗いをすることができます。

重曹を使う理由

重曹は、アルカリ性の性質をもち、油汚れに含まれる脂肪酸と反応すると、石鹸のような状態になり、これ自体が他の油汚れを強力に落としながら洗浄できます。しかし、注意していただきたいのが、重曹の濃度を濃くしても汚れ落ちは、変わりません。しかし、水温が上がるとアルカリ濃度が高くなるので、冷水より温水の方が洗浄力は高まります。

また、重曹を65℃以上の温水では、炭酸ナトリウムに変わり、PHが8.2から11程度まで飛躍的に向上します。生成途中の発泡作用で汚れにアタックして洗浄力を強化するので、今回のように重曹は、温水で使うと油汚れに効果を発揮します。

お水ですすいだ後、フィルターの隅に乳化した油汚れが残っている場合は、重曹ペースト(重曹2+水1)を付けてブラシで擦れば、クレンザーとして使え、汚れを容易に除去できるので、試してください。

中性洗剤を使う理由

中性洗剤(食器用洗剤)の主成分である界面活性剤は、水と油の両方の性質をもっており、水や油の界面(表面のこと)に働きかけ、界面の性質を変えます。すると、本来混じり合わない水と油を混ぜ合わせることができ、白濁して乳化することで、汚れを引き離します。

界面活性剤の3つの力
① 汚れの奥まで入り込み引き離そうとする浸透作用
② 水と油を混じりやすくする乳化作用
③ 汚れを水に散らして再付着を防止する分散作用

レンジフードのフィルターの掃除は、煩雑なイメージがありますが、手間いらずでエコロジーで効果覿面な掃除方法をご紹介させていただきました。今回の自然の太陽光エネルギーを使ってエコロジーなお掃除方法は、ちょうど以前ご紹介した太陽光を遮断する「エアコンの節電には、室外機のアルミ製日除けが効果的!」と逆の発想です。

実は、「紺屋の白袴」ではないですが、今回も我が家のレンジフードをお掃除しました。ついつい自分のことは後回しになってしまいがちですが、簡単にキレイになるので、ご紹介させていただきました。次回は、「レンジフードのお掃除に便利な『手作りスクレーパー』」でシロッコファンのお掃除をご紹介する予定です。

あとがき

今回は、主にレンジフードのシロッコファンのお掃除方法をご紹介しましたが、シロッコファンについても後日、「太陽光を利用したレンジフードのシロッコファン掃除の方法」で解説しています。2年ぶりのお掃除ですが、ほとんど手間いらずで綺麗になりました。

バケツの漬け置きだけで油汚れが落ちました!

<おそうじワーク けいはんな店は、生駒市、奈良市を中心に「エコ洗剤」によるお掃除サービスを提供しています>