エアコンクリーニングの作業中に本体パネルを外すと、時々蜘蛛が巣を張っていたり、カナブンやチャタテムシの死骸を見つけます。しかし、圧倒的に多いのがゴキブリの糞や卵鞘、死骸です。
なぜ、エアコン内部にゴキブリの死骸があるのでしょうか?
エアコンにカビやホコリが溜まると、ヒョウヒダニ(チリダニ)が群がります。さらに、このホコリを栄養源にするカビが繁殖すると、カビを餌とするチャタテムシやコナダニが餌場として群がります。次にカビだけでなくチャタテムシやコナダニを餌とするゴキブリが集まってきて、エアコン内部の高温多湿で暗い空間に雑食性のゴキブリを頂点とする食物連鎖が形成されてしまうのです。
冷房時のエアコン内部は、25度前後の温度に結露水が溜まり湿度が高くなるので、ゴキブリにとって快適で最高の環境となります。寿命が6か月ほどのゴキブリは、夏から秋にかけての繁殖期に活動量が一気に増えるので、昼間は人目を避けて潜んでいますが、夜中になると出てきてバッタリと遭遇してしうこともあります。エアコン内部に残るゴキブリの死骸は、この繁殖期が過ぎて力尽きたことが原因だと考えます。皆さんも夜中にエアコン内部からゴキブリが動く「カサカサ」という音が聞こえたことはないでしょうか。
一方、冬場の暖房シーズンは、エアコン内部が乾燥するので、ゴキブリにとって最悪の環境となるので、エアコン周辺で見かけなくなります。理由は、ゴキブリが越冬するには20℃~25℃の温度帯が必要なので、キッチンの冷蔵庫の裏など暖かい場所に移動します。
ただこれだけでなく、エアコン内部でカビが繁殖して、ダニが群がり、ゴキブリが集まると、カビの胞子、ダニやゴキブリの糞や死骸を吸い込んで、咳、鼻水、湿疹などの「アレルギー症状」を引き起こします。最近問題となっている呼吸で吸い込んだカビが肺の中で繁殖する「肺真菌症」という深刻な健康被害を引き起こすこともあるので、注意が必要です。
ところで、ゴキブリはどこから侵入するのでしょうか?
実は、エアコンの配管を通すため、壁面に6~7㎝ほどの丸い「穴」を開けます。こころが、ほとんどのエアコンの場合、屋外側の壁はパテで塞がれていますが、屋内の壁側の配管を通した後の穴は塞がれずにそのままになっていることが多いです(物理的に壁内を塞ぐことができる貫通スリーブの設置は、ほとんど見かけません)。しかし、穴が空いていてもエアコンのパネルで見えないので、ほとんどの方が気づくことはありません。最近の高断熱・高気密の住宅は、壁内の空間にグラスウールや発泡ウレタンを隙間なく充填されていますが、20年以上経過した住宅は、グラスウールが入っていてもその重みで垂れ下がっていたり、現在の建築基準法では、断熱材の使用が義務でないため、壁内に何も入っていないスカスカの住宅もあります。
ゴキブリなどの害虫は、壁内のこのような空間を自由に通って、この穴から直接エアコンの裏側から内部に誰にも気付かれずに裏口からひっそりと自由に出入りしていることになります。どこからでも侵入するゴキブリですが、その対策として、進入路の「穴」を塞ぐことは、たいへん効果的だと考えます。
ところで、害虫の室内への侵入を防ぐため、屋外のドレンホースに付ける「防虫ドレンキャップ」が効果絶大のように宣伝されています。ところが、エアコン本体に付いているドレンパンの排水口(12㎜(ダイキン))がドレンホース(内径14㎜~18㎜)より細くて狭いため、横幅が15㎜に達するクロゴキブリの成虫が通過するのが困難です。むしろ、ドレンキャップにホコリや水垢が詰まってしまい、結露水があふれて漏水することが心配です。
エアコンの配管用の穴を専用パテで埋めてみました。
写真のとおり、ゴキブリの侵入を防ぐため、エアコンの配管穴を塞ぎました。この穴からは、ゴキブリだけでなく、すきま風も入ってくるので、メリットは大きいと思います。次に、重要なことは、様々な害虫を寄せ付けないためには、エアコンのホコリとカビを除去することが有効な手段となります。ただし、エアコン内部のホコリやカビを除去するには、エアコンクリーニングしか方法がありません。エアコンクリーニングは、是非“おそうじワーク”にご用命ください。なお、エアコンの配管の穴が気になる方は、エアコンクリーニングの際にご要望があれば、専用パテの材料費のご負担だけで穴埋め施工させていただきますので、ご安心ください。
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